Julius Berger Cello Recital
2014年10月30日(木) 武蔵野市民文化会館
■出演
ユリウス・ベルガー(チェロ)
津田裕也(ピアノ)
■プログラム
ベートーヴェン:ヘンデルの『ユダ・マカベア』の主題による12の変奏曲
ブラームス:チェロ・ソナタ第1番 op.38 (4楽章版)
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ソフィア・グバイドゥーリナ:10の前奏曲
ブラームス(C.A.ピアッティ編):ハンガリー舞曲集より 第18番、第20番、第21番
見るからに「教授」とお呼びしたくなる風貌のベルガー氏、にこやかに颯爽と登場し、気負いもなく1曲目のベートーヴェンを。津田氏の明るいピアノと、歯切れの良いベルガー氏の音のバランスが絶妙。色彩感は強くない。かといって無機質でもなく、光沢のある演奏だった。
ブラームス『チェロ・ソナタ』は速度やしっとりとした音色がブルネロに共通していて「おや?」と思ったが、お二人とも巨匠ヤニグロの薫陶を受けられていたと知り納得。
深みのある音色と決然とした立ち上がりの良さが印象的でした。
休憩をはさんで更に調子を上げたベルガー氏。
グバイドゥーリナ『10の前奏曲』は、1974年に作られた実験的な作品。乾いた金属的な響きの中にも、弾き手のユーモアを感じさせられた。面白い。
ブラームス『ハンガリー舞曲集』の始まりは軽々と楽しげに駆け抜ける18番から。特に忘れられないのは第20番。底辺を支える力強さと、軽々としたリズムの対比が見事でした。
■アンコール
サン=サーンス「白鳥」 『動物の謝肉祭』より、
クライスラー「ベートーヴェンの主題によるロンディーノ」、
ブラームス「子守歌」
アンコールも始終ニコニコと笑顔で弾ききり、颯爽と歩く姿が見ていて気持ちよいほど。
「白鳥」は優雅さよりも命の喜びに満ちた若鳥のような、Feuermannの弾いた白鳥のイメージに近いものを感じた。
ロンディーノも明るく生き生きとした演奏。
それはそれは優しい『子守唄』で、穏やかにお開きとなりました。
お見事でした。
Julius Berger
1954年、ドイツ・アウクスブルク生まれ。
ミュンヘン音楽大学、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学でウォルター・ライヒャルトとフリッツ・キスカルトに師事。研鑽を経た後、米国シンシナティ大学でザラ・ネルソヴァ、マスタークラスではムスティスラフ・ロストロポーヴィチの薫陶を受ける。
1979年から1982年までアントニオ・ヤニグロのアシスタントを務める。
28歳のとき、ドイツ・ヴュルツブルク音楽大学で当時ドイツ最年少の教授となる。
1992年からはザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学で、国際サマーアカデミーを開いている。2010年よりアウクスブルク音楽大学のレオポルドモーツァルトセンター所長を務めている。
楽器は、1723年製のジョヴァンニ・バティスタ・ロジェリ。
参考
Sofia Gubaidulina : 10 Preludes for solo celloJohannes Brahms: Ungarischer Tanz Nr. 18Johannes Brahms: Ungarischer Tanz Nr. 20Johannes Brahms: Ungarischer Tanz Nr. 21
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